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| 旅立ちの章段 |
| 【出典】 俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡 第15集「芭蕉と旅立ち」 [文学館目録] |
| 「おくのほそ道」芭蕉句集 行春や鳥啼魚の目は泪 (ゆくはるや とりなきうおの めはなみだ) | ||||||
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[おくのほそ道碑建立地] 足立区 千住 大橋公園 |
[句解釈] 厳寒の冬は身にこたえ、それだけにうららかで花咲きそろう春は格別である。その春が行ってしまうのだから、鳥までもわびしさで泣いているように聞こえ、魚も目に涙を光らせているように思われるものだ。 | ||
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[おくのほそ道碑建立地] 荒川区 南千住 素盞雄神社 |
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[句碑建立地] 栃木県 大田原市前田 芭蕉の道入口 |
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| [大橋公園] 千住大橋の北詰にある公園で、「おくのほそ道」の行程図や「矢立初の碑」が建つ。「矢立初の碑」は、「おくのほそ道」の旅が千住から始まったことを記念して昭和49年(1974年)に建てられたもので、「おくのほそ道」からの抜粋「千じゆと云所にて船をあがれば、・・・見送なるべし。」を刻む。碑陰に「(前略)千住の河岸には古くから船着場があり、このあたりが上がり場だった。千住は、寛永2年(1625年)、三代将軍家光のとき、日光道中の初宿に指定され、日光・奥州・水戸の各道中の宿駅としてにぎわった」とある。 [素盞雄神社] 素盞雄大神(須佐之男命)と飛鳥大神(事代主命)を祭神とする神社で、千住大橋から南へ約200m、営団日比谷線南千住駅から徒歩7分ほどのところにある。句碑は「おくのほそ道」の旅立ちを記念して文政3年(1820年)10月12日の芭蕉忌に建てられたもので、芭蕉座像と「千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。行春や鳥啼魚の目は泪 はせを翁」の文字を刻む。 [芭蕉の道入口] 栃木県旧黒羽町(現在、大田原市の一部)前田の芭蕉の道入口に建つ。当地は、芭蕉が「おくのほそ道」の旅の途中14日間にわたって逗留したところで、地区内に芭蕉句碑が点在している。 ○「芭蕉と那須野が原」の「那須野が原にある芭蕉関連の碑」参照。 |
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| おくのほそ道 | 現代語訳 |
| 旅 立 ち | |
| 弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧々として、月は在明にて光おさまれる物から、不二の嶺幽にみえて、上野・谷中の花の梢、又いつかはと心ぼそし。むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗て送る。千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。
行春や鳥啼魚の目は泪 是を矢立の初として、行道なをすゝまず。人々は途中に立ならびて、後かげのみゆる迄はと見送なるべし。 |
三月も末の二十七日、あけぼのの空がおぼろに霞み、月は有明けの月でうすく照らしているので富士山の嶺がかすかに見わたすことができる。上野や谷中の桜の梢はいつまた見られるかと心細い思いにかられる。私を思ってくれている弟子たちはみな昨夜から集まり、一緒に船に乗りこんでくれた。千住というところで船をあがれば、前途はるかな道のりの一歩を踏み出したことに胸がいっぱいになり、この世は夢、幻とは思いつつも、道に立つと切ない別れで涙がとめどなく流れた。 厳寒の冬は身にこたえ、それだけにうららかで花咲きそろう春は格別である。その春が行ってしまうのだから、鳥までもわびしさで泣いているように聞こえ、魚も目に涙を光らせているように思われるものだ。 これを、旅の句の初めとして足を踏み出すが、名残りが尽きず、なかなか先に進まない。別れに来てくれた人々は道に立ち並んで、姿が見えなくなるまで見送ってくれるのだろう。 |
| 曽良随行日記 | |
| 元禄2年(1689年)3月20日(新暦5月9日)・・・日記に書かれた出立日 | |
| 原 文 | 現代語 |
| 巳三月廿日 日出、深川出船。巳ノ下尅、千住二揚ル。 |
巳三月廿日 日の出、深川出船。午前10時半頃千住に揚る。 |
出立日について 曽良の随行日記では出立日が3月20日とされているが、岐阜の門人安川落梧に宛てた元禄2年3月23日付芭蕉書簡が見つかり、その中に「此廿六日江上を立ち出で候」と書かれていることから、現在は、26日の出立を予定したが、天候などの都合で一日延期し、翌27日に深川を立ったのだろうという見解が一般的になっている。 |
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本文・曽良随行日記の現代語訳および句の解釈
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曽良随行日記は「俳聖
松尾芭蕉・みちのくの足跡」のシリーズ「芭蕉について」からそのまま
転記しています。
ただし、章段によっては、滞在日に合わせて元のテキストを分割して掲載しているのもあります。
俳聖
松尾芭蕉・みちのくの足跡
第15集 芭蕉と旅立ち
底本について
「おくのほそ道」の本文は、素龍清書の「西村本」を底本としています。
句読点や章段ごとの見出しは「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」
の中で任意に付したものであり、
「おくのほそ道」の本文に存在するものではありません。
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