俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡   [亀岡八幡宮二十八景]

貞享4年(1687年)、大淀三千風は、新築の亀岡八幡神社に仙台領内の名所二十八景を詠み込んだ発句を絵板に書かせて奉納した。絵板は昭和20年(1945年)の空襲で社殿とともに焼失している。絵板に書かれた内容は次の通り。

[表]

亀岡八幡宮二十八景


塩釜   紙鳶 塩かまやぬさの追風いかのほり
本荒里  菜花 本あらの里の花菜や金谷園
木下   鯢声 木の下の花なれ蝶や鐘狂女
田子   鍬天 田子の細井蛙さひたり鍬をのこ
玉田横野 柴馬 柴つけ馬雲雀たはねし横野哉
花淵   曙雲 花淵ちりぬ龍の衣ゝあけ曇り
奥細道  柳塘 西行の袖すり柳かほそみちか


青葉崎  花桃 花に紅葉よ青葉崎の青あらし
白榴岡  杜鵑 はしる馬に鞭館の月ほととぎす
広瀬川  蛍陣 紅波蛍を流しあふき楯つく広瀬川
松浦島  鮪船 鮪ふねや包丁しくれて松かうら
慮橋   市女 橋ひめやほたるいたゝく市帰り
籬島   群鳥 腹はれ鳥くろ羽の虫むし笆か島
野田玉川 梁庇 腰ぬけのわさか玉川懐く梁翁


宮城野  遊鹿 宮城野や柴蒲団て栄耀鹿
小鶴沼  萩花 むら荻や鼾く友寐のこつる沼
壷碑   蘿葉 いしふみに手のはす蔦よ韵ふたき
奥海   車渠 帆たて貝鴈のとも船おくの海
恋路山  夕猿 猿書さらし妹待くれや恋路山
末松山  浪月 こす波や月も木になるすゑの松
名取川  虹梯 埋木の精や紅葉る虹のはし


浮島   澎松 うき島や松もしくれも根なしとち
金花山  斑雪 駿河雪吹面影鋳たり金花山
都島   篷灯 苫火そ氷る職人つくし都島
轟橋   牛車 橋の霜に齢文字かきつ車うし
沖井   明星 おきの井の星を釣瓶や水仙や
十符   泊鷺 七符に氷魚三符に菰寐や泊り鷺
千家浦  澪漂 凩や水尾よはしてちかのうら

        日本修業寓言堂呑空居士 三千風

 貞享四年丁卯暦桜月(陰暦三月)吉辰  銘焉


[裏]

亀岡八幡宮縁起並
二十八景品定之一軸
神主山田土佐守
文庫入巻
  
看板之施主
 誂門弟中
寓言堂之執筆
    加之

(小倉博「仙台郷土研究」より)


 
  
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第12集 芭 蕉 と 仙 台
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