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目は泪 |
鳥啼魚の |
行春や |
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な る べ し お く の ほ そ 道 よ り |
は 途 中 に 立 な ら び て 後 か げ の み ゆ る 迄 は と 見 送 |
是 を 矢 立 の 初 と し て 行 道 な を す ゝ ま ず 人 々 |
行 春 や 鳥 啼 魚 の 目 は 泪 |
を そ ゝ ぐ |
の お も ひ 胸 に ふ さ が り て 幻 の ち ま た に 離 別 の 泪 |
る 千 じ ゆ と 云 所 に て 船 を あ が れ ば 前 途 三 千 里 |
む つ ま し き か ぎ り は 宵 よ り つ ど ひ て 舟 に 乗 て 送 |
て 上 野 ・ 谷 中 の 花 の 梢 又 い つ か は と 心 ぼ そ し |
在 明 に て 光 お さ ま れ る 物 か ら 不 二 の 嶺 幽 に み え |
弥 生 も 末 の 七 日 明 ぼ の ゝ 空 朧 々 と し て 月 は |
| 弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧々として、月は 在明にて光おさまれる物から、不二の嶺幽にみえ て、上野・谷中の花の梢、又いつかはと心ぼそし。 むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗て送 る。千じゆと云所にて船をあがれば、前途三千里 のおもひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の泪 をそゝぐ。 行春や鳥啼魚の目は泪 是を矢立の初として、行道なをすゝまず。人々 は途中に立ならびて、後かげのみゆる迄はと見送 なるべし。 |
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底本について
「俳聖
松尾芭蕉・みちのくの足跡」に掲載している「おくのほそ道」は、
素龍清書の「西村本」を底本としています。
日本古典文学刊行会複製・素龍清書「おくのほそ道」
(昭和47年刊行)
句読点や章段ごとの見出しは「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」
の中で任意に付したものであり、
「おくのほそ道」の本文に存在するものではありません。
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