松尾芭蕉・おくのほそ道文学館   「奥州道中 増補行程記」展示室

安積郡現郡山市中(4) 安積山
 
盛岡市中央公民館所蔵


感情の名処。安積郡 名所の山。

安積山。此山春日ノ若草山二似タルト云々。山麓の廻リ二百六十八間。此間四十三間。
[安積山と山ノ井清水について]

あさかの沼。今、田となる。 [安積沼について]

一里塚。

浅香の姉か茶屋。餅の名物、い(煎)り大豆有。

古今集に出る所。天武の頃に皇子東夷征伐に下り給ふ時、此所にて供御進る(タテマツル)古事有。皇子怒給ふ時に、采女なりけるものゝ歌奉りてければ、皇子御心和らきて、却て処の民迄物かつげ給(タマ)との給ふ。和歌の徳也。仍て歌の手習、父母のたとひ侍る。是二略す。
古歌 浅か山かけさへミゆる山の井のあさくは人を思ふものかは
あさき心を われ思はなくに、とも。
二説有。下に記侍る。

(Gの左に記されている「二説」を略す。)


安積山 浅香沼 引歌多し。略し侍る。花かつミわたる あやめ草 蛍其外引うた
浅香ノ原 家集 ミちのくの浅香の原の白ま弓心つよくもミゆる君かな 兼盛
山ノ井 引うた多し。
霞の谷 六帖(古今和歌六帖)引うた 霞の谷に影かくし
(たに あさか山かすみのたにしふかければわかものおもひははるゝよもなし 「古今和歌六帖」1013)
(深草帝の御國忌の日よめる 草深き霞の谷に影かくし照る日のくれし今日にやはあらぬ 文屋康秀 「古今和歌集」0846)
歌方山 家集 沼水も氷(凍り)にけらしうたかたの 兼盛。

(あさかのぬま ぬま水もこほりにけらしこしかたの山ちも今はたえやしぬらん 「兼盛集」66
)
(むまや) うたかたのむまやは人を思いつく
右 浅香の名所也。

<展示室目次>


「奥州道中 増補行程記」について

盛岡藩八代藩主南部利視(1708〜1752)の命を受けて、同藩士清水秋全が
宝暦元年(1751年)に著作して献上したもの。

「おくのほそ道」の旅(1689年)から60余年後の、江戸日本橋から盛岡までの
街道界隈の風景が、絵と文章で克明に記されている。

本展示室では、381の図版の中から、「おくのほそ道」本文又は「曽良随行日記」で
触れられている地域を抜き出して掲載し、当時の旅を偲ぶよすがとしている。


掲載している画像について

画像の出典は、東洋書院刊「新南部叢書 奥州道中 増補行程記」(P86-図159)です。

盛岡市中央公民館および株式会社東洋書院の許可を得て掲載しています。
 
< 盛岡市中央公民館 掲載許可番号 No.14 >

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