| 松尾芭蕉の旅 おくのほそ道 | ||||
| 俳聖 松尾芭蕉・生涯データベース |
| おくのほそ道 三十四 | ||||
| 最上川の章段 |
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| 最上川はみちのくより出て、山形を水上とす。 | 最上川は、みちのくから流れ出て、山形あたりを水上(みなかみ)とし、 | |||||
| ごてん・はやぶさなど云おそろしき難所有。 | 途中、碁点、隼などという恐ろしい難所があり、 | |||||
| 板敷山の北を流て、果は酒田の海に入。 | この先で、板敷山の北を流れ、果ては酒田の海に入る。 | |||||
| 左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。 | 両岸から山が迫り、川を覆うようであり、そうした中、茂みの中に船を下す。 | |||||
| 是に稲つみたるをや、いな船といふならし。 | この船に稲を積んだのを、稲船というのだろう。 | |||||
| 白糸の瀧は青葉の隙隙に落て仙人堂岸に臨て立。 | 白糸の滝は、青葉の隙間から流れ落ちるのが見え、この上流にあるある仙人堂は、川に面して建っている。 | |||||
| 水みなぎつて舟あやうし。 | 水流がみちあふれ、舟が危険である。 | |||||
| _五月雨をあつめて早し最上川[資料] | 数々の山川から五月雨を集めてきた最上川は、ここに至り、更に両岸の山から直接水を集めて満ち満ちて、滑るような勢いで流れていく。 | |||||
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[語 釈] |
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西吾妻山を水源とし、置賜、村山、最上、庄内の県内全域を川筋として日本海に入る大河川。下記の歌などに詠まれた歌枕。球磨川(熊本県)、富士川(山梨県、静岡県)とともに日本三大急流の一つに数えられる。総延長229キロの流路がすべて山形県に属し、この距離は、一県のみを流れる川としては日本最大。 もがみ川のぼればくだる稲舟の いなにはあらずこの月ばかり 東歌 (「古今和歌集」) もがみ川ふかきにもあへずいな舟の 心かるくも帰るなるかな 三条右大臣 (「後撰和歌集」) 最上川せゞの岩波せきとめよ 寄らでぞ通るしらいとのたき もがみがは岩越す波に月さえて よるおもしろき白糸のたき (「義経記」の「直江の津にて笈さがされし事」の段) |
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碁点。最上川三難所[資料]の一つ。鼠色の緻密な第三紀の凝灰岩が露出しているところで、深場以外の所は岩礁が水面間際まで迫り出している。こうした川のつくりのため、水流はかなり速い。「碁点」の名は、川床に碁石を並べたような岩の突起があることに由来するという。三難所は、ともに大石田の上流にあり、芭蕉は目にしていない。 |
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隼。最上川最大の難所で、川幅全体に岩礁が横たわり急灘をなしている。隼の瀬では、弘化三年(1846)に二百五十俵の年貢米を積む新庄藩の船が破船し、安政四年(1857)にも最上商人の船が破船するなど、数々の船がこの瀬の通行で難破した。 |
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下記の「夫木和歌抄」の歌などに詠まれた歌枕。白糸の滝の真南十キロほど先に聳える標高630mの山で、最上峡の南岸一帯に山裾を広げている。道路が築かれる以前は、この山の峰伝いが内陸と庄内を結ぶ唯一の陸路だった。 みちのくに近き出羽の板敷の 山に年ふるわれぞ侘びしき よみ人しらず (「夫木和歌抄」) |
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昔、稲を積んで運んだ細長い舟。底が平たいので上下の揺れが激しく不安定。人や物品の運搬にも使用された。 |
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歌枕。仙人堂と芭蕉の上陸地清川とのほぼ中間にある。滝壷近くが浅瀬になっているため舟寄せができず、遠望するのみ。 |
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緩やかなS字を描いて蛇行する最上峡の(下流に向って)右岸に、鳥居を構えて鎮座する。外川神社とも呼ばれ、祭神は日本武尊。鎧明神、兜明神、竜明神、本合海八向明神とともに「最上の五明神」に数えられ、農業や航海安全の神として信仰を集めている。 |
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