| 松尾芭蕉の旅 野ざらし紀行 | ||||
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| 野ざらし紀行 十五 | ||||
| 甲斐の山中、旅の終り |
| 甲斐の山中に立よりて | 甲斐の山中に立ち寄って | |||||
| _行駒の麦に慰むやどり哉 | 旅の助けとなってくれている馬を休ませてあげよう。馬が、麦の穂をいただいてくつろいでいる姿を見ていると、わたしまで、疲れが癒されるようであるよ。 | |||||
| 卯月の末、庵に旅の疲れをはらすほどに、 | 四月の末、芭蕉庵に帰って、旅の疲れを晴らすうちに、 | |||||
| _夏衣いまだ虱を取り尽さず | 秋風を聞きながらの旅立ちであったが、こうして、夏衣をまとい、無事、草庵に戻ることができたよ。虱は、しばらく取り尽くさずにおいて、旅寝の名残を楽しむことにしよう。 | |||||
| [語 釈] | ||||||
芭蕉は、天和二年十二月に芭蕉庵を焼失したことから、翌年の夏、一時甲斐の谷村に移り、その折も、甲斐名産の「駒」の句を詠んでいる。 馬ぼくぼく我を絵に見る夏野哉 (水の友) 甲斐の郡内といふ処に到る途中の苦吟 馬ぼくぼく我を絵に見る心かな (俳諧一葉集) |
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