| _ | _ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 5 小 松 | 大 垣 |
蛤のふたみにわかれ行秋ぞ |
のりて |
るに |
がごとく |
子 々日夜とぶらひて |
越人も馬をとばせて ・荊口父 |
にたすけられて大垣の庄に入ば |
露通も此みなとまで出むかひて ゝ国へと伴ふ |
其日のあらまし |
波の間や小貝にまじる萩の塵 |
寂しさや須磨にかちたる濱の秋 |
さびしさ感に堪たり |
しき法花寺あり ゝめて |
追風時のまに吹着ぬ |
筒などこまやかにした ゝめさせ |
舟を走す ・小竹 |
十六日 |
名月や北国日和定なき |
十五日 |
月清し遊行のもてる砂の上 |
遊行の砂持と申侍る と |
煩なし |
から草を刈 |
とし 往昔遊行二世の上人 |
松の木の間に月のもり入たる |
けいの明神に夜参す |
猶明夜の陰晴はかりがたし と ゝめられて |
あすの夜もかくあるべきにや といへば 越路の習 ひ |
夕ぐれつるがの津に宿をもとむ |
峠を越れば |
をわたりて |
漸白根が嶽かくれて |
らんと |
まりて |
そか ゝる風情は侍れと |
といふ |
あたり何がしと云もの ゝ方に行ぬ |
て いづくよりわたり給ふ道心の御坊にや |
くす |
夕顔 ・へちまのはえか ゝりて ゝ木 ゝに戸ぼそをか |
て そこそこと教ゆ |
ひて有にや |
か江戸に来りて予を尋 |
の路たどたどし |
福井は三里計なれば ゝめて出るに |
とかや |
千里を避て ゝる山陰に跡をのこし給ふも |
五十丁山に入て永平寺を礼す |
物書て扇引さく余波哉 |
聞ゆ |
所 々の風景過さず思ひつ ゞけて |
いふもの |
丸岡天龍寺の長老 |
を立るがごとし |
此一首にて数景尽たり |
月をたれたる汐越の松 西行 |
終宵嵐に波をはこばせて |
越前の境 |
とりあへぬさまして草鞋ながら書捨つ |
庭掃て出ばや寺に散柳 |
の柳散れば |
き僧ども紙 ・硯をか ゝえ |
入 |
ば ゝ空近う ゝに |
と残す |
終宵秋風聞やうらの山 |
曽良も前の夜此寺に泊て |
大聖持の城外 |
今日よりや書付消さん笠の露 |
かれて雲にまよふがごとし |
と書置たり ゝ悲しみ ゝうらみ |
行行てたふれ伏とも萩の原 曽良 |
先立て行に |
曽良は腹を病て |
なりぬ |
功名の後 |
辱しめられて |
誹諧を好み |
あるじとする物は久米之助とていまだ小童也 |
山中や菊はたおらぬ湯の匂 |
温泉に浴す |
石山の石より白し秋の風 |
殊勝の土地也 |
に |
と也 ・谷組の二字をわかち侍しとぞ |
給ひて後 |
の山際に観音堂あり |
山中の温泉に行ほど |
むざんやな甲の下のきりぎりす |
し事共 |
仲願状にそへて此社にこめられ侍よし |
金をちりばめ |
ものにあらず |
に属せし時 |
此所太田の神社に詣 ・錦の切あり |
5 小 松 | 大 垣 |
お く の ほ そ 道 松尾芭蕉著 底 本 / 西村本 |
お く の ほ そ 道 文 学 館 収 蔵 文 書 |
||||||||||||||||
| 目 次 前 右 |
![]() |
◇大垣 | ![]() |
◇種の浜 | ◇敦賀 | ![]() |
◇福井 | 永平寺 |
天龍寺 |
◇汐越の松 |
![]() |
◇全昌寺 | ![]() |
◇山中 | ◇那谷 | ◇小松 | 目 次 前 左 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||