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| 4 大 石 田 | 金 沢 |
しほらしき名や小松吹萩す ゝき |
小松と云所にて |
あかあかと日は難面もあきの風 |
途中吟 |
秋涼し手毎にむけや瓜茄子 |
ある草庵にいざなはれて |
塚も動け我泣声は秋の風 |
追善を催すに |
えて |
ともにす |
也 |
卯の花山 ・くりからが谷をこえて |
わせの香や分入右は有磯海 |
かすものあるまじ といひをどされて か ゞの国に入 |
ふの山陰にいり 蜑の苫ぶきかすかなれば 蘆の一夜の宿 |
きものをと人に尋れば 是より五里いそ伝ひして むか |
と云浦に出 擔篭の藤浪は春ならずとも 初秋の哀とふべ |
くろべ四十八か瀬とかや 数しらぬ川をわたりて 那古 |
曽良にかたれば ゞめ侍る |
一家に遊女もねたり萩と月 |
べし と云捨て出つ ゝ し |
只人の行にまかせて行べし |
の事には侍れども 我 々は所 々にてと ゞまる方おほし |
大慈のめぐみをたれて結縁せさせ給へ と泪を落す |
ば |
て 行衛しらぬ旅路のうさ |
と 々にむかひ |
ましう下りて 々の業因いかにつたなし |
白浪のよする汀に身をはふらかし |
は古郷にかへす文した ゝめて |
成し |
の声も交て物語するをきけば |
隔て面の方に若き女の声二人計ときこゆ |
一の難所を越てつかれ侍れば |
今日は親しらず 子しらず ・犬もどり ・駒返しなど云北国 |
荒海や佐渡によこたふ天河 |
文月や六日も常の夜には似ず |
さず |
此間九日 |
ば |
をいたましめて加賀の府まで百卅里と聞 |
酒田の余波日を重て 々のおもひ胸 |
波こえぬ契ありてやみさごの巣 曽良 |
岩上に雎鳩の巣をみる |
蜑の家や戸板を敷て夕涼 みの ゝ国の商人 低耳 |
象潟や料理何くふ神祭 曽良 |
祭礼 |
汐越や鶴はぎぬれて海涼し |
象潟や雨に西施がねぶの花 |
さに悲しみをくはえて |
異なり |
を汐こしと云 |
堤を築て秋田にかよふ道遥に |
うつりて江にあり |
を捲ば ゝえ |
し事いまだ聞ず |
神功后宮の御墓と云 |
し桜の老木 |
ひ 花の上こぐ とよまれ |
をうかぶ |
其朝 |
を待 |
ば |
て鳥海の山かくる 雨も又奇也 とせ |
十里 ゝかたぶく比 |
湊より東北の方 |
江山水陸の風光数を尽して |
暑き日を海にいれたり最上川 |
あつみ山や吹浦かけて夕す ゞみ |
乗て酒田の湊に下る |
にむかへられて |
羽黒を立て |
湯殿山銭ふむ道の泪かな 曽良 |
語られぬ湯殿にぬらす袂かな |
雲の峯幾つ崩て月の山 |
涼しさやほの三か月の羽黒山 |
に帰れば 々短冊に書 |
式として他言する事を禁ず ゞめて記さず |
思ひ出て |
炎天の梅花爰にかほるがごとし |
り積雪の下に埋て |
ふほど |
の執あさからぬ事しられたり |
に剣を淬とかや ・莫耶のむかしをしたふ |
潔斎して劔を打 |
谷の傍に鍛治小屋と云有 |
を枕として |
息絶身こ ゞえて頂上に至れば |
てのぼる事八里 |
包 |
八日 |
して |
修験行法を励し |
かに ゝげそひて |
を合て三山とす |
羽を此国の貢に献る と風土記に侍とやらん ・湯殿 |
して 羽黒山 と云にや 出羽 といへるは 鳥の毛 |
黒 の字を 里山 となせるにや 羽州黒山 を中略 |
云事をしらず 羽州里山の神社 と有 |
五日 |
有難や雪をかほらす南谷 |
四日 |
かにあるじせらる |
代会覚阿闍利に謁す |
六月三日 |
五月雨をあつめて早し最上川 |
隙隙に落て仙人堂岸に臨て立 |
稲つみたるをや |
は酒田の海に入 |
はやぶさなど云おそろしき難所有 |
最上川はみちのくより出て ・ |
き一巻残しぬ |
まよふといへども |
心をやはらげ ゝて |
諧の種こぼれて |
最上川のらんと |
4 大 石 田 | 金 沢 |
お く の ほ そ 道 松尾芭蕉著 底 本 / 西村本 |
お く の ほ そ 道 文 学 館 収 蔵 文 書 |
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